究極のリスキリング、社会人大学院生を目指す

そもそもなぜ”リスキリング”という言葉が注目されているのでしょうか?令和4年経済産業省から出されている資料(経済産業省の取り組み)を見ると、日本人は他国と比べて就職してから社外学習や自己啓発を行なっていない人の割合が46.3%と高く(図1参照)、会社自体も社外学習を推奨していないことがわかります(図2参照)。

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そもそも社会人はリスキリングに興味があるの?

でも、政府が言っているだけで我々働いている人(私もサラリーマンです)は、現状の仕事に手一杯で、リスキリングなんて興味ないのでは?と思っていました。ところが、ちょっと調べてみるとそうでもないのです。エン・ジャパンさん調べによると約90%の働く人が興味があると答えています(エン派遣の方ですが)。

この結果は、サラリーマンとして働いている方達が「1つの会社で定年まで勤め上げる時代は終わりを告げようとしているんだな・・・」と実感していることの証明だと考えています。実際に私も15年近く1つの会社に勤めていますが、世の中に明るいニュースが無さすぎて、この先はどうなるんだろう?という不安は拭いきれません。それよりも自分の技術力・知識力、何より稼ぐ力を高めて、どんな時代が来ても対応できるようにすることが、それらの不安を解消する方法だと考えるようになりました。

また、厚生労働省は副業・兼業の促進に関するガイドラインを令和4年に更新しました。副業・兼業を否定しているものではないと思われます。ただし、副業など”自分の好き”を仕事にしたい人は、会社に所属しながら、会社で受ける教育には限界があるでしょう(基本的に副業は本業とは競合しない分野が望ましいからです)。したがって、本業とは別の分野で稼ぎたい場合、何らかの手段によってリスキリングが必要になってきます。

つまり、今の会社に所属しながら、より高度な技術を得て昇進を目指したりスペシャリストになりたい、という方にとっても、今の会社に所属しながら副業で稼ぎたい、という方にとっても、リスキリングはとても有効な手段ではないでしょうか。

リスキリングに興味を持ったきっかけは?

とはいえ、必死に働いていれば、その会社での地位も上がっていくし、やりがいも増えていくことがほとんどだと思います。ところが、私の場合は3年目くらいから自分ができる仕事の幅が決まってきて、将来やれることや年収が見えてきました(通常は部署変え等で飽きさせないのでしょうが・・・)。すると、働いている自分に限界を感じ始めます。この限界感?は仕事のやる気にも影響を与えますし、生きがいとか生きる意味とか、そういった漠然としたものにも影響を与えました。

3流大学を出ている私は、天才でもないし特殊な能力など一つも持っていません。このままこの会社に勤めているだけで良いのだろうか。やりがいはどうやって作り出せば良いのか?給料を上げるためにはどうしたら良いのか?単純だった私は一つの解に辿り着きます。

とりあえず給料が欲しい=昇進しよう=そのためにもっと能力を身につける=リスキリングだ!

なんと単純でしょう。ただ、もっと勉強(リスキリング)をして能力をつけることで、給料が上がるだけでなく、今の環境からさらに幅を広げられるし、自ずとやりがいも増えていくだろうと考えたのです。

ところが、何をどうしたらすれば能力が上がるのか、やりがいに繋がるのかがわかりません。この、”何を・どうしたら”はとても長い間迷いました。

自分に合ったリスキリングを見つける=究極のリスキリング

まず始めに、どんな分野が今後の日本に必要であるのか、もっと言えば、どんな分野が企業から求められていて、何を満たすと自分の価値が上がるのか、を考えました(常に相手の立場や考え方から自分の行動を決めれるように気をつけています)。そこで再び経済産業省の取り組みを参照させていただくと、今後成長する市場というのが見えてきました(図3参照)。

まさにデジタルとグリーン。私は理系・医療系出身で数字が苦手ではありません。そこで専門能力として尖っていて、今後成長しそうなビッグデータ解析や健康関係(この分野はgoogleなど世界の企業も注目している)に焦点を絞りました。ここでどんな分野を選ぶかは、今後求められる市場から選択していくのが良いのではないでしょうか。上図で言えば、AI解析・ビッグデータ解析・原子力・半導体・素材・ファイナンス・プロジェクトマネジメント・電力システムなどが第一に挙げらると思いますが、もちろんこれ以外にも可能性を秘めた分野はたくさんあると思います。というか、経済産業省の発表している分野はなかなか偏っているような印象を受けなくもない・・・。

次に、絞った分野でどんな資格やどんな勉強が必要なのか、大きい本屋さんで片っ端から調べました。データ解析で言えば、データサイエンスなどがホットトピックであり、求められる資格(統計検定やデータサイエンス検定など)も何個かあってわかりやすい。また、データ解析から企業の将来の道筋を提案したり困ったことを解決したりと、仕事の内容も魅力的でした。健康関係でいうと、遺伝子治療や遺伝子検査などがあり、人生100年時代において遺伝子という側面から健康を考えられることがとても面白そうでした。

ところが大きな問題に気づきます。専門的な分野であればあるほど、個人の勉強だけでは、その分野で一人前になることが難しいということです。会社で働きつつ、隙間の時間で勉強し、何らかの資格を取れれば良いのではないかと、漠然と考えていました。しかし、自分が興味を持った分野(市場において価値のある分野)は片手間で一人前になれるようなものではなかったのです(もしかしたら、こういった事情もリスキリングが広まらない原因なのかもしれません)。

そこで、どうやったら一人前になれるのかを調べました。するとたくさん出てきますが、ほとんどは大学院への進学です。もちろん才能のある人や自分の時間をたくさん使える人は個人の勉強だけで一人前になれるかもしれません。しかし、私は生来怠け者であるだけでなく、自宅にゲームなど誘惑していくるものがあるため、強制的に勉強しかできない仕組みが必要でした。

その時すでに35歳、また一から勉強をしても頭に入るのか、そもそも何年間も大学院に通ってそれが本当に仕事に活きるのか、などさまざまな思いが頭をよぎります。

大学院進学編に続きます。

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